小さいベンチャーでも広報室を作っちゃおう!はじめに

★事業会社からカフェ開業へ

私は年商当時500億円の事業会社で広報室立ち上げ責任者として勤務し、パブリックリレーションズのスキルをフルスロットルでまわしていましたが、運用に疲れて3年で退職し、自分の時間を大事にしようとフリーランスから、ひょんなことがきっかけでカフェ経営をすることになりました。

カフェ経営でも広報活動は重要で、ホームページやセールスプロモーションなど、基本的なPRスキルを(あまり使う気がなかったですが)ちゃちゃっと企画・構成・運営をし、自分でやっていけるだけの売り上げを上げられるようになりました。

★地域の衰退を、しかも東京で、肌で感じて

「事業会社からカフェ」という、
まったく違う形態を通じて知ったのは、地域の衰退を肌で感じたことでした。わたしは東京下町で出店していましたが、東京ですら過疎化が進行しているのをご存じな人は意外と少ないかもしれません。小学校のクラスは学年で1つか2つ。お祭りになると集まるのはお年寄りばかりで、お神輿の担ぎ手を探すのに毎年苦労しています。グーグルマップとSNSの普及で、人々の行動パターンは様変わりし、特定の目的地だけを目指すようになります。ランダムな出会いでお金を落とすことはまれで、ゆえに商店街などではお店がひとつ、またひとつと閉鎖していく現実を目にしました。

半径2キロ圏内で、お店が閉鎖したのは、20件以上。小さなスーパー・コンビニも4つなくなりました。

こういうことが、東京で起こっていました。

知り合った出店者仲間でも、原材料にこだわったいい食材を提供しているカフェや、いい意味でなんらかのこだわりを持ったお店がたくさんあったのですが、そういった「いいこと」をやっているところから順に姿を消し、どうでもいい「あれ?こんな料理でいいの?」というようなところが生き残る構図も、身に染みて体験していきます。

★地域経済をなんとかしないと、と思って選んだ二者択一の結論とがっかり感

地域経済、なんとかしないと、とわたしは何らかの支援策を講じるとりくみをしようと思ったのですが、独り経営の自営業で自転車操業の身では、そのとりくみは不可能。思い切ってカフェをやめ、そういったとりくみをする企業で組織戦をしたいと思いまたまたフリーランスに戻りました。

しかし、、、その「とりくみ」を標榜する企業も、特定の種類の人しかほしくないみたいで、わたしのような現場で生きるか死ぬかの状況を体験して(店が減れば経済は疲弊します。その中でどうやってやりくりしていくか、というのは毎日たいへんでした、って意味で)、っていうような人はお呼びでないようです。

★ぽつりぽつりとPR

かわりに、お店時代に隠していたPRスキルに目をつけていた(?)元同僚(というか、出店仲間やフリーランスの人々)からPRスキルを使った広報活動についてのアドバイスを求められるようになり、ぽつり、ぽつりと無償で協力したりしていました。

ただ、毎回毎回、同じことを繰り返ししゃべっていることが多くて、そのわずらわしさから解放されよう、という意図で専用のサイトを立ち上げよう、と思ったのが、この「とびぞう」です。

とくに気合を込めて作ったサイトではないので、たまたま持っていた試験アカウントを転用してみた急づくりなものですが、自分のやりたいテーマであるまちづくりがらみのセルフスタディ記事をまわしながら、PRについての解説をちまちまとやっていこうと思っています。

もちろん、このコンテンツを通じてお仕事が発生するならバンザイです(笑)。

★フレームワークを知らない広報マンばかりの日本

この国で、広報、パブリックリレーションズをしっかりと語れる人は、実は自称広報マンでも10%以下だと、わたしは思っています。パブリックリレーションズには経営コンサルタントと同じく、フレームワークがあり、法則性があります。これをマスターしている人は、業界業種に関係なく、広報職を実践することができます。

わたしはそれを本場アメリカで学んだ数少ない人間でもありますので、情報発信におけるへんな理屈や、成果が上がらない構造がしれっとわかったりします。それはコンサルタント的な活用もさることながら、小さい会社が早くに情報部門を作り、運用することの重要さを伝えたいと思います。

最近、複数のベンチャー企業で広報職のヘルプワークを経験していますが、早いうちからメディア対応術やウエブ運用術が理解できていれば、少ない労力で大きな発信成果を得られるのです。

★小さいベンチャーでも、広報室を作っちゃおう!

「小さいベンチャーでも、広報室を作っちゃおう!」という題名は、まさにそんな思いからつけた名前です。

スタートアップのときから、お金の運用法や情報の活用法が学べていたら、いいことをしてても閉店せざるを得なかったお店や会社がもう少しがんばれたのではないか、と思うのです。

情報発信は総務や経理と同じく非生産部門な見方をされて、収益に寄与するエンジニアの強化や営業の強化のあとまわしになっていきますが、はたしてそうでしょうか。情報の使い方によっては経済効果で何十億という成果を私は出してきました。1度の情報発信をビジネスにつなげるしくみづくりこそが、広報室設立の真の目的です。

あなたのひとことが100万円になるように。

あなたの情報発信1つで、たくさんの人が幸せになれるように。

そんな不可能と思えることを、ひっくり返して、希望に変えることができる人たちとともに、このサイトは動いていきたいと思います。

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